住民情報のDBサーバを64ビット化
システムの安定運用とサービス向上

津市役所
津市役所様 導入事例
10市町村の合併によって2006年に生まれ変わった三重県津市。住民情報の管理や納税事務などの行政サービスを担う基幹システムをこれまではPCサーバで運用していた。その中核であるデータベース・サーバの安定性を強化するため、地方自治体として初めて基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」を導入した。サーバのスケールアップにより、行政サービスのスピードアップとともにIT調達の合理化を推し進める。
[ 2007年4月3日掲載 ]
導入の背景 |
システム概要 |
導入の経緯 |
担当SEに聞く
導入の背景
三重県の中央に位置する津市は、2006年1月に新たな歴史を歩み始めた。旧津市と周辺9市町村(久居市、河芸町、芸濃町、美里村、安濃町、香良洲町、一志町、白山町、美杉村)との合併によって県下最大面積を誇る地方自治体に生まれ変わった。29万人の市民が暮らす地方中核都市として、魅力ある街づくりを進めている。
その合併をにらみ、旧津市では2004年に住民情報系システムを刷新した。住民情報系システムは、住基系システム(住民記録システムなど)、税系システム(法人市民税システムなど)、福祉系システム(福祉総合システムなど)から構成される。行政サービスの礎ともいえる基幹システムである。

鈴木悦夫氏
津市役所
総務部
IT担当理事
システム刷新の経緯について、津市役所総務部IT担当理事である鈴木悦夫氏は「合併により自治体の規模が大きくなると、さまざまな行政サービスの提供にスケールメリットを生かせるようになる。その一方で、一気に増加した住民に不便を感じさせないことが大切だ」と語る。
システム刷新にあたっては、メインフレームから脱却し、IA系のPCサーバ採用によって投資の合理化も図った。約30万人規模の地方自治体が基幹システムにPCサーバを採用するのは極めてまれだが、鈴木氏は「津市の調達活動はEconomy(経済性)、Effect(効果)、Efficiency(効率)という3つのEを重視している。IT調達も例外ではなく、行政サービスの質を維持・向上させていくには従来と違う方法を採り入れる必要があった」と強調する。
64ビットCPUの処理能力でシステムのボトルネックを解消
新住民情報系システムの核となるデータベース・サーバは当初、32ビットCPUを8個搭載したPCサーバ2台のクラスタ構成にして可用性を確保していた。住民データを格納するストレージには、データの二重化機構を備えた「ETERNUS3000 Model300」を適用。フロントには15台のWeb/アプリケーション・サーバを配置し、市役所や出張所などの行政窓口にある端末と接続。Webベースのインターフェースで各種行政サービスを提供している。

川原田豊治氏
津市役所
総務部
情報企画課
課長
合併によって津市の人口は16万人から29万人に倍増したが、システムは支障なく行政サービスを支え続けた。しかし運用面で1つの課題が浮上した。津市役所総務部情報企画課課長の川原田豊治氏は、「合併によって行政窓口の端末が450台を超える規模になり、データベース・サーバの負荷が当初の予測を大幅に上回った。端末からのリクエストが集中すると、レスポンスが悪化してお客様を待たせてしまうケースが見受けられた」と振り返る。
津市は今後の安定運用のためには、早急に何らかの対策が必要と判断。システムの構築・保守を担当していた三重電子計算センター(代表取締役社長:小柴眞治)とさまざまな改善策について検討した。鈴木氏は「サーバの過負荷状態を解消し、サービス・レベルを旧津市と同じ水準に戻すことを第一に考えた。結局、問題が起きていたデータベース・サーバのみをスケールアップするのが合理的と判断した」と語る。
そこで採用されたのがPRIMEQUESTである。一番の決め手は、その圧倒的なパワーにあった。「32ビットCPUではデータ処理の量と速度に限界があった。64ビットCPUによってメモリ空間が格段に広がり、大規模な一括処理も短時間でこなせる。システムが抱えていたボトルネックを取り払うのにうってつけだった」(川原田氏)。従来、スケールアップが困難とされてきたPCサーバであるが、2006年には同じIA系の基幹サーバPRIMEQUESTという選択肢が存在していたことが課題解決に味方した。
システム概要
津市役所の新システム構成

アプリケーションは変更せずに、データベース・サーバをPRIMERGY RX800 2台のクラスタ構成からPRIMEQUEST440 1台に、データベース管理ソフトウェア(SQL Server)を32ビット版から64ビット版に置き換えた
導入の経緯
サーバ更改は3カ月で完了
従来比4倍の処理能力を実現
2006年4月の導入決定から稼働までに費やした期間はわずか3カ月。地方自治体としてPRIMEQUESTを導入した初めてのケースとなった。
短期間で更改できた要因は、従来のデータベース・サーバと同じ環境を、PRIMEQUEST上に容易に移行できたことにある。アプリケーションの変更はほとんどなく、サーバ更改時におけるシステム停止時間も必要最小限に抑えられた。
導入にあたっては、東京・浜松町にある富士通のシステム検証施設「Platform Solution Center(PSC)」で、津市のシステム運用環境を再現して性能検証を実施。その結果を踏まえ、目標のパフォーマンスを達成する構成として、16個のItaniumプロセッサと32GBメモリを搭載したPRIMEQUEST440を選択した。
川原田氏は「更改前のデータベース・サーバは、CPUの平均使用率が40~50%ほどに達していたが、現在ではおおむね10%を下回り、処理も速くなった。端末からのリクエストが集中しても、パフォーマンス面の不安はなくなり、サービス・レベルも旧津市の水準に戻すことができた」と話す。
可用性の向上も見逃せない改善点だ。主要なハードウェア・パーツを二重化し、完全同期動作させるPRIMEQUEST独自の高可用技術「システムミラー機構」により、クラスタ構成に劣らない信頼性を確保でき、管理コストも軽減された。
鈴木氏は「地方自治体の財政事情は厳しさを増しているが、行政サービスの向上にも努めていかなければならない。今回のPRIMEQUEST導入によって、基幹システムを強化し、リソースに余裕を持つことができた。その余裕を生かして行政サービスを一層充実させていくとともに、他のレガシー・システム刷新に向けたノウハウを蓄積し、IT調達のさらなる合理化を推し進めていきたい」と語った。
担当SEに聞く
64ビット化で費用対効果の高いシステムが提案可能に

川本和司氏
株式会社三重電子計算センター
自治体事業本部
システム管理部
部長
今回のPRIMEQUESTの導入は、データベースの再構築、バッチ・アプリケーションの見直しに次ぐ第3の提案でした。しかし、コストや期間、安全性などを総合して考えると、津市様の選択は必然であったと思います。
これまではメインフレームしか選択肢がなかった領域で、高信頼オープンサーバであるPRIMEQUESTを使えるようになり、64ビット対応のデータベース、当社のパッケージ・ソリューション「G-Partner」と組み合わせて、他の地方自治体様にも自信を持ってお薦めできるシステムのパターンを構築できたと思います。
富士通Platform Solution Centerで行った性能検証では、津市様の実業務を想定したテスト・データを使いました。そのお陰で正確なパフォーマンスを測定でき、津市様がお持ちだった明確な目標に対して、最適なCPU数やメモリ容量のサーバ構成を提案できました。
【津市役所様 概要】
| 名称 | 津市役所 |
|---|---|
| 合併 | 2006年1月1日 |
| 所在地 | 三重県津市西丸之内23-1 |
| 職員数 | 3,083人(2006年4月1日現在) |
| ホームページ | http://www.info.city.tsu.mie.jp/ |
【導入事例(PDF版)印刷用】
- PDF導入事例 津市役所様 (444KB / 2ページ)
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